2020/04/07

【MTGA】使用デッキ紹介:緑単ビートダウン(ヨルヴォと愉快な仲間たち)

この記事では、MTGアリーナを始めて3ヶ月ほど経ったた初心者が、始めて本格的に組んだ緑単デッキについて紹介する。
  • 2020年3月上旬のスタンダード(ラヴニカのギルド~テーロス還魂記)環境に基づく。
  • ランク戦BO3(ゴールド~プラチナ帯)が前提。
  • あくまでMTG初心者なりの感想。

デッキリスト



デッキリストはこちら。

緑を選んだのは、単に緑色が好きだからというだけの理由。
単色なのは、色事故を回避するためと、2色土地のレアにワイルドカードを使うのがなんか嫌だったので。
ワイルドカードは土地より他の呪文に回した方が、早く強いデッキが作れるんじゃないかという理屈である。

基本的には1マナからクリーチャーを並べて素早く殴り勝つ、高速寄りのビートダウン。
1マナの《生皮収集家》、2マナの《樹皮革のトロール》、3マナの《ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ》《恋煩いの野獣》などの緑らしくマナレシオに優れたクリーチャーたちが主力。

遅いデッキに対しては相手の準備が整う前の4~5ターン目に勝負を決められるし、逆に赤単アグロのような高速デッキに対してはヨルヴォや野獣などのデカブツを早めに出すことで相手の攻撃を遮断できる。
高速・低速デッキのどちらにも対応可能(多分)な点が個人的にお気に入り。

良くも悪くも動きが単純なので、MTG自体初心者の自分にも使いやすかった。他に使っている人はあまり見ないので、決して「環境上位の強デッキ」というわけではないだろうが、個人的には十分に戦えるスペックがあると思っている。

低速のランプ・コントロール系デッキに対しては、1ターン目からクリーチャーを並べて速攻でライフを削り切ることを目指せるし、逆に高速の赤単アグロなどに対しては、タフネスの大きなクリーチャーを壁にして時間を稼ぎながら逆転を狙える。

とにかくクリーチャーが優秀で層が厚いので、どんな相手に対してもある程度戦える汎用性が長所。

欠点は、緑単であるがゆえにクリーチャーの除去は格闘/疑似格闘に頼らざるを得ず、全体除去も無いため、クリーチャーを処理されると切り返しが困難な点。

速攻に特化した赤単、終盤のパワーに特化したランプ、シナジーに特化したサクリファイス系デッキなどと比べると明確な勝ち筋の押し付けができないので、相手が強い動きをしてきた場合、それを妨害する方法に乏しく、もっと強い動きで上回るという方法も取れない。なので、ほぼ負ける。器用貧乏というべきか……。

以下、各カードの解説。


メインデッキ

《生皮収集家》


自分よりパワーの高い味方が場に出るか死亡すると成長する。

このデッキの切り込み隊長。1マナでありなながら容易に3/3以上までは成長を見込め、除去されても1マナなので大して痛くない。

例えば1ターン目に収集家、2ターン目に《樹皮革のトロール》を出すことができれば、相手は収集家とトロールのどちらを除去しても3/3が戦場に残ることになる。

除去されても盤面の火力を維持できるという点が重要で、低速デッキ相手にアグロ戦術を取る場合1ターン目に収集家を出せるかどうかが勝率に大きく響いてくる。

1ターン目に唱えるのに最良のクリーチャーだが、中盤以降に引いた場合でも、既に場に出ている大きなクリーチャーが死亡すればパワーアップするので、ある程度の戦力には見込める。

逆に1/1のままなら《恋煩いの野獣》の「恋愛対象」となるので、その場合はあえてパワーアップさせないカードの唱え方をしたい。


《僻森の追跡者》


人間以外の味方がいれば、戦闘中+1/+1。

《生皮収集家》ほどのインパクトはないが、速攻要員として十分に使える1マナクリーチャー。
2/2になる条件はさほど厳しくない。自身が《恋煩いの野獣》の攻撃条件を満たすことにも貢献できるので、人間トークンを除去して油断している相手に不意打ちをかますこともできる。

対低速デッキでは、収集家と並んで最序盤の攻撃役として重要な存在。
今はメインに1枚、サイドに2枚の構成にしているが、低速相手が多いならメインから3~4枚投入するべきだろう。


《楽園のドルイド》

 

優秀な2マナのマナクリーチャー。

他のマナクリーチャーには《金のガチョウ》《枝葉族のドルイド》《培養ドルイド》《イリーシアの女像樹》などがいるが、この《楽園のドルイド》はパワー2なので1/1の《生皮収集家》を強化することができるのが偉い。

自分で殴っても最低限の火力が出るし、アンタップ状態なら呪禁なので軽量除去で潰される恐れが無いのが安定している。

緑単デッキを組むに当たって、最初に参考にしたのが公式サイトのこのデッキリストだった。

このリストでは《金のガチョウ》や《枝葉族のドルイド》などのマナクリーチャーが大量に採用されていたのだが、自分で使ってみるとせっかくマナクリから《ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ》や《探索する獣》を高速召喚してもすぐに除去で潰されて後が続かない、という展開になりがちだったので、ガチョウや枝葉族は抜くことにした。

しかしマナクリーチャーをすべて抜くと、今度は土地事故が発生しやすくなるという問題が生まれた。
このデッキはマナカーブに沿ってクリーチャーを展開することを前提としたビートダウンなので、土地が2枚で止まってしまうとそれだけでかなり苦しい。

そのあたりを考慮すると、やはり《楽園のドルイド》を4枚入れることによるマナ基盤の安定は大きい。


《樹皮革のトロール》


実質2マナ3/3で基本スペックが高い上、1マナと+1/+1カウンターを支払うことで一時的に呪禁も得られる。見た目によらず(?)攻守に万能な優秀クリーチャー。

アグロに対しては2ターン目に出せる最高の壁であり、低速デッキに対してはパワー3のプレッシャーを与えられる、多くの相手に対して2マナで唱えられる最良のカードである。

ただし汎用性は高いが特化性には欠けるため、カードパワー勝負になるミッドレンジ相手だと2戦目以降はサイドアウトの候補となる。


《成長室の守護者》


3マナで「順応」すると+2/+2の強化、更に+1カウンターが載るごとに同名カードをデッキから補充できる。

このカードの役割は2つある。1つは「マナカーブの補完/マナフラッド受け」である。

もし初手に3マナで出せるカードがなくても、この守護者がいれば2→3ターン目にマナを余らせることなく使うことができて無駄がない。《楽園のドルイド》と同じく、手札事故をある程度フォローできるカードである。

中盤以降も、「マナは余っているけど、唱えられるカードが無い」という状態(マナフラッド)で役立つ。

もう1つは「ハンドアドバンテージを得る」こと。
+1/+1カウンターを載せることさえできればデッキから仲間を呼べるので、カード1枚の得となる。

このデッキのハンドアドバンテージ源は他に《グレートヘンジ》ぐらいなので、1対1交換を繰り返すようなコントロールデッキに対して粘り強く戦うためには、貴重な存在となる。

もちろん順応すれば4/4となり、アタッカーとしても十分なサイズ。
最大のネックは、4枚デッキに入れていないと最大パフォーマンスを得られない点。サイドボーディングの際に「守護者を2枚だけ抜けたらベストなのになぁ……」と思うこともしばしば。


《ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ》


3マナで4/4、さらに緑のクリーチャーが場に出るたびに+1/+1カウンターが載って強化されていく、ギャレンブリグのボス。

シンプルながら強力なスタッツを誇る、まさに緑らしいクリーチャー。実はこのカードの強さに惹かれたのが、緑単を使い始めたきっかけだったりする。

しかしサイズはデカいとはいえ他の能力はないので、除去耐性は無いし、小物にブロックされれば簡単に1ターン時間を稼がれてしまう。

あくまで他のクリーチャーと共に並べ、強烈なスタッツで戦線を維持し相手にプレッシャーを与えるという役割がメインとなる。


《恋煩いの野獣》


3マナ5/5と破格のスペック。1/1クリーチャーが味方にいないと攻撃することができないが、1マナの出来事《切なる想い》で1/1人間トークンを生成できる。

ヨルヴォと共に高スタッツで前線を維持する3マナアタッカー。

1マナで《切なる想い》を唱えられるので、マナカーブの補完にも役立つ汎用性がありがたい。

1/1がいないと攻撃はできないがブロックは可能なので、赤単相手などの場合は《切なる想い》を経由せずに素で野獣を出し、壁にするのも有効。《溶岩コイル》でも焼かれないので、赤単相手に3マナで唱える呪文としてはベスト。


《打ち壊すブロントドン》

 

アーティファクト/エンチャントを除去できるクリーチャー。

赤単の《エンバレスの宝剣》、サクリファイス系の《魔女のかまど》、出来事デッキの《幸運のクローバー》、ファイアーズの《創案の火》、ティムール再生の《荒野の再生》、コントロール系の《払拭の光》《ガラスの棺》《エルズペス、死に打ち勝つ》《予言された壊滅》など、アーティファクト/エンチャントをキーカードとした主流デッキは多いため、メインデッキから対策カードを仕込んでおくのは重要である。

仮に相手がアーティファクト/エンチャントを使わない・引かなかった場合も、3マナ3/4のクリーチャーとして使えるので腐りにくいのも利点。

特に赤単相手の場合、タフネス4は信頼性が高い壁として使える。

ただし自身が3マナで効果起動にも1マナかかるため、やや重いのがネック。
相手の場にアーティファクト/エンチャントがある場合、3マナしか出せない状態で唱えてしまうと相手のターンに除去されてしまうことも多いので、その場合はできれば4マナ以上捻出できる状態までガマンしてから唱えたい。


《探索する獣》

 

いわずと知れた能力山盛り超パワーカード。

速攻で4マナ4点ダメージを飛ばせるのが単純に強く、パワー2以下の小物にはブロックされないのでダメージを通しやすいし、パワーの高い大物にブロックされても接死で1対1交換が見込める。警戒もあるので、攻撃するかブロックに残すか迷うことも無い。

その上対戦相手とプレインズウォーカーに同時にダメージを与えられるので、ダメージレースの優位とボードアドを同時に得られるという欲張りっぷり。

特にコントロール相手に有用で、いったい何人の《時を解す者、テフェリー》を噛み殺してくれたのか数え切れない……。

とにかく(4マナ出せる状況なら)どんな場面で引いてもまず腐ることがない。
伝説のクリーチャーだが、相手からすると最優先で処理したいカードなので除去されやすく、ゆえに手札に数枚溜まったとしてもリスクは低い。
4枚積んで手札に来たらとりあえずぶっ放す、という適当な使い方が許される「純粋に強い」パワーカードの代表である。


《アーク弓のレインジャー、ビビアン》

 

忠誠度+1効果はクリーチャーに+1/+1カウンター×2&ターン終了時までトランプル付与、-3は一方的格闘、+5ではサイドボードからクリーチャーを手札に補充できる。

+1効果は特にトランプル付与が重要で、《ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ》や《恋煩いの野獣》の高パワーをスムーズにダメージに変換することが可能。

《探索する獣》と組み合わせれば、高パワーの接死トランプル持ちという非常に厄介なクリーチャーが誕生する。

+1/+1カウンターは《成長室の守護者》の効果誘発の他、《樹皮革のトロール》《生皮収集家》とも相性が良く、シナジー範囲も広い。

-3効果はプレインズウォーカーにも触れられる汎用除去。
緑は高パワークリーチャーが多いので同マナ帯の相手なら概ね除去できるし、《探索する獣》の接死はここでも役立つ。

-5効果ではその状況に応じたクリーチャーをサイドボードから呼べる。
上2つの効果だけでも十分強いのでこの効果を使う機会は限られているが、「《変容するケラトプス》を呼んで速攻付与→5点ダメージ」を最後のひと押しとして使うというパターンが多い。

それ以外だと《クロールの銛撃ち》で飛行を除去したり、《僻森の追跡者》を出して《恋煩いの野獣》の攻撃制限を解除するといったややトリッキーな使い方となる。

どの効果も強力で汎用性が高いが、いずれも(強力な)クリーチャーが場にいなければ十分に性能を発揮できないのが弱点。

盤面にクリーチャーが並んで有利~互角なときに出せばそのまま勝負を決められるが、劣勢から一発逆転が狙えるようなカードではない。


《大食のハイドラ》


Xマナの値によってサイズを調節できるクリーチャー。
更に場に出た時に、格闘するか自身をさらに強化するかを選べる汎用性の高さが強み。

序盤~中盤は小型クリーチャーの除去呪文(ついでにクリーチャーも場に残る)として使えるし、マナが余った中盤~終盤には大きなXで唱えて場を制圧するフィニッシャーになれる。

ミッドレンジ(特にサクリファイス系)相手のシステムクリーチャー対策と、赤単相手の壁の役割を兼ねられる汎用性を買い、メインデッキから投入している。


《グレートヘンジ》


クリーチャーが出るたび1枚ドロー&大量のオマケが付いた強力なアドバンテージ源。

元のコストは9マナだが、クリーチャーの最大パワーの分だけ割引してくれるので実際にはもっと安く出せる。

理想的なのは3ターン目に《恋煩いの野獣》→4ターン目に4マナで《グレートヘンジ》という流れ。
更にそこから《成長室の守護者》を唱えれば2枚カードを補充できるので、そのまま盤面を制圧してゴリ押しを狙える。

このデッキにおける貴重なアドバンテージ源&強い勝ち筋の押し付け手段。
しかし伝説のアーティファクトであり、《探索する獣》などに比べると場に出す条件が厳しいので、投入枚数は2枚に留めている。


《ギャレンブリグ城》


5マナ払えば6マナが出る。ただし用途はクリーチャー関連限定。

他の城が強すぎるのでやや地味に見えるが、クリーチャー主体のこのデッキにおいてはとりあえず入れておいて損はない。1枚しか入れてないのは、単にワイルドカード節約のため。


サイドボード

《影槍》


高性能な汎用装備品。

ステータス上昇と絆魂は対赤単に、トランプルは対サクリファイス(特に《大釜の使い魔》のチャンプブロック)に有用。
起動効果は《夢さらい》などの呪禁持ちや、《太陽冠のヘリオッド》などの破壊不能持ちへの対策にもなる。

クリーチャーメインのこのデッキとの相性は良いが、場に出すことでクリーチャーの展開が遅れてしまうのはデメリット。低速相手には入れないほうが無難。


《強撃+脅威》《捕食》


クリーチャー除去手段。主に《エッジウォールの亭主》《発現する浅瀬》《忘れられた神々の僧侶》などの放っておくと一生アドを取られる危険なシステムクリーチャーを処理する手段。

《強撃》は2マナだが、インスタントかつプレインズウォーカーを対象にできて戦闘ダメージも受けないのが優秀。できれば《強撃》3枚にしたいのだが、ワイルドカードが足りないので《捕食》で妥協している。

《捕食》はソーサリーなので、相手ターンに出てきた《朱地洞の族長、トーブラン》などには対処できない(そのまま焼き殺される)が、1マナ軽いのが活きる場面もあるので下位互換ではない。


《クロールの銛撃ち》


飛行対策。場に出た時に格闘できるので、除去呪文のような感じで使える。

ただ、今の主流デッキでよく使われる飛行クリーチャーは《夢さらい》や《ハイドロイド混成体》あたりだが、《夢さらい》は呪禁を付けられると触れないし、《ハイドロイド混成体》は唱えられた時点でドローとライフゲインされてしまう(除去してもアド損)。
このあたりの理由から、サイドに2枚の投入に留めている。

おそらく最も有効な相手は、緑を含んだサクリファイス・食物系のデッキ。
《金のガチョウ》をノーリスクで除去でき、《フェイに呪われた王、コルヴォルド》への対処法にもなる。

クリーチャーとしてのスペックも決して悪くなく、2マナパワー3という時点でアグロ戦術に特化する場合はサイドインされる。

宿根でパワーが上がり、格闘で死にやすいので《生皮収集家》との相性も良い。パワー上昇は《グレートヘンジ》のコスト軽減に使えたりする。


《自然への回帰》

 

アーティファクト/エンチャントだけでなく、脱出などの墓地利用も対策できる、まさにサイドボード用という対策カード。

《打ち壊すブロントドン》は能力起動に都合4マナ掛かるが、こちらは2マナなのでテンポ面では遥かに軽快。
特に《魔女のかまど》や《幸運のクローバー》などの軽い置物を、アドを稼がれるまえに素早く破壊できるのが重要。

シミックカラーの低速デッキだとまず入っている《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を、墓地から追放して封殺できるのも大きい。
ただしウーロに関しては、最初に唱えられた時点で1ドローされているので、《自然への回帰》でウーロを追放してもカード枚数は1枚損している点に注意したい。

ウーロは追放できたが、《自然への回帰》のアド損のせいで攻め手が足りずに結局逆転される……ということもありえる。

《変容するケラトプス》


あのにっくき青の妨害カードを封殺できる色対策カード。ただし《霊気の疾風》にはバウンスされる。

とは言え《夢さらい》《ハイドロイド混成体》《自然の怒りのタイタン、ウーロ》といった低速デッキのフィニッシャーにブロックされず・ダメージを受けないというのは重要。

まあそれらのカードを出されている状態だとどのみち長期戦ではこちらが不利なので、「最後のひと押し」となるダメージをねじ込むのが主な役割になる。

アゾリウス・コントロール戦などだと《アーデンベイル城》の1/1トークンでチャンプブロックされることが多いが、その場合もトランプルをつければダメージを通せるのが偉い。


デッキに入れてたけど、結局抜いたカード

《巨大化》


低速デッキとばかり当たっていた時に、よりデッキを高速寄りにしたいと思って投入したカード。

シンプルな効果ながら汎用性が高く、3点ダメージをねじ込んで早期に試合を終わらせることもできれば、コンバットトリックにおける疑似除去として使える。

好きなカードではあるのだが、結局対低速に枠を取りすぎていると感じたので外すことに……。


《神秘の撤回》


1マナで《深海住まいのタッサ》などの破壊不能持ちをバウンスできる。
特に《鍛冶で鍛えられしアナックス》をサテュロストークンを出させずに処理できるのが便利。

エンチャント対策カードとして十分高性能なのだが、《自然への回帰》と比べると対策できる範囲が狭い点がネックだった。
赤単相手でも、やはり《エンバレスの宝剣》も対処できる《自然への回帰》を優先的にサイドインしたくなる。


《ヘンジの槌、ファレン卿》

 

一緒に攻撃している味方を強化するクリーチャー。

アグロ戦術を取る場合、火力補強に非常に有用なカード。ただし欠点も多くて、「対低速デッキ以外に役割が持てない」「1ターン目に1マナクリーチャーを出せていないと、強化効果を使えるのが4ターン目以降になってしまう」といった汎用性の低さがネックとなった。


《傲慢の翼》 


飛行を付与する汎用装備品。

硬直状態からダメージを通す手段となる。相手からしても緑単でクリーチャーが飛んでくるとは思わないだろうから、飛行対策を受けづらいという奇襲性もある。

しかし飛行はあくまでクリーチャー戦における回避能力なので、攻撃よりも守りを重視したいVS赤単アグロ、フィニッシャーはだいたい飛行であるVS低速デッキでは活きづらく、サイドインの機会が少なかった。


《尊き一角獣》《終末の祟りの先陣》 


いずれも《アーク弓のレインジャー、ビビアン》の忠誠度-5効果で手札に加えることを前提とした投入。

硬直状態を打破するエンドカードとなりえる2枚だが、前述の通り+1&-3効果で大抵はなんとかなるし、それでダメな状況なら《終末の祟りの先陣》を呼ぼうがムダということが多く、サイド枠を割くほどの価値があるかは怪しかった。カッコいいフィニッシュの仕方だとは思うんだけどね……。


《第1回イロアス競技会》


3マナで1/1トークンを生成し、次のターンに+3/+3のカウンターが載るため、実質4/4クリーチャーを唱えたのと同じ形となる。

3マナクリーチャーとしてヨルヴォや野獣にも引けを取らないサイズであり、更に次のターンに2枚ドローできればかなりのアドバンテージを得られる。

十分に強いカードなのだが、効果を発揮するまでにターン数が掛かるので、赤単などの速いデッキ相手にはタイムロスが痛く、コントロール相手には途中で妨害されやすかったりと、ポテンシャルを発揮しきれないことが多かった印象。

3マナ帯は前述の通りヨルヴォや野獣など優れたクリーチャーが多く、単純に競争率が激しいのもネック。フレーバー性が素晴らしいカードだけに、もっと上手く使いたいのだが……。


《世界を揺るがす者、ニッサ》 



マナ加速&土地のクリーチャー化能力を持つ、いわずと知れた強プレインズウォーカー。
ランプ系デッキに採用されていることが多いが、特にマナ加速シナジーが無くても強い。

単純なパワーカードなのだが、やはりネックは5マナという重さ。
《楽園のドルイド》が入っているとはいえ、土地23枚・占術なしのデッキで5マナのカードをスムーズに出すのは想像よりも簡単な行為ではない。

マナスクリューで為す術なく負けるゲームが精神に与える悪影響のリスクを考えると、やはり《グレートヘンジ》とニッサの同時採用は危険であると判断した。


対戦相手別サイドボーディング例

VS赤単アグロ

  • OUT
    • 《生皮収集家》×4
    • 《僻森の追跡者》×1 
    • 《成長室の守護者》×4
  • IN
    • 《影槍》×1
    • 《捕食》×2
    • 《強撃+脅威》×1
    • 《自然への回帰》×3
    • 《打ち壊すブロントドン》×2

赤単戦で最も重要なのは、《ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ》か《恋煩いの野獣》(ないしは最低でも《打ち壊すブロントドン》か《樹皮革のトロール》)を素早く戦場に出し、相手の低パワークリーチャーの攻撃を止めること。
もしこれらの壁になるクリーチャーが初手にない手札ならマリガンするべきである。

壁を張ったら基本的には積極的に攻撃せず、できるだけライフを温存できる形にしたい。
長期戦に持ちこめば有利だが、相手にも《エンバレスの宝剣》《鍛冶で鍛えられしアナックス》《朱地洞の族長、トーブラン》といった硬直状態を打破できる勝ち筋も多いので、それらに対処できる《自然への回帰》などを構えておくことができればベスト。

負けた後の試合では、必ず先攻を取る。
相手が先攻で、《エンバレスの宝剣》を含む最高の手札だった場合は、こっちがどう足掻こうと4ターン目に轢き殺されるので、その場合は事故にあったと思って諦めるしか無い。


VSシミック/バント/エスパー・ランプ

  • OUT
    • 《楽園のドルイド》×2
    • 《打ち壊すブロントドン》×2
    • 《大食のハイドラ》×2
  • IN
    • 《僻森の追跡者》×2
    • 《クロールの銛撃ち》×2
    • 《変容するケラトプス》×2

ランプ相手の場合は、可能な限りアグロに寄せて相手のフィニッシャーが出てくる前に倒し切るのが勝ち筋。
6~7ターン目ぐらいまでに決められなかった場合はほぼ負けると考えた方が良い。

《自然への回帰》は《自然の怒りのタイタン、ウーロ》対策になるが、前述の通りハンドアド的には損なので、最近はサイドインするべきかどうか悩んでいる……。


VSアゾリウス/エスパー・コントロール

  • OUT
    • 《僻森の追跡者》×1
    • 《楽園のドルイド》×2
    • 《大食のハイドラ》×2
  • IN
    • 《自然への回帰》×3
    • 《変容するケラトプス》×2

コントロール相手の場合、《払拭の光》《ガラスの棺》《予言された壊滅》などの置物系除去が多いため《自然への回帰》は腐りにくく、フル投入しやすい。

《太陽の恵みの執政官》などを使ったエンチャントメインのデッキであれば更に《打ち壊すブロントドン》を増やしてもいいし、こちらが先攻のゲームなら《僻森の追跡者》をフル投入して早期決着を目指しても良い。いろいろなプランが想定される相手である。


VSサクリファイス/クローバー

  • OUT
    • 《生皮収集家》×4
    • 《僻森の追跡者》×1
    • 《楽園のドルイド》×2
    • 《樹皮革のトロール》×2
  • IN
    • 《影槍》×1
    • 《捕食》×2
    • 《強撃+脅威》×1
    • 《自然への回帰》×3
    • 《打ち壊すブロントドン》×2

いずれもアーティファクトとシステムクリーチャーを中心としたミッドレンジ系デッキなので、それらを除去できるカードを多く投入する。
このマッチアップの場合は、負けた後のゲームであえて後攻を選ぶのもアリ。

後攻のほうがドローが1枚多いので、除去札が豊富な場合(理屈上は)1対1交換を繰り返せば1枚多いカードの差で勝てるからである。


おわりに

3月下旬はずっとランク戦BO3をやっていたが、成績としてはプラチナランクTier3~2あたりを延々と往復していた。
今の自分の実力(とデッキ)ではこのあたりが適正レベルということだろう。

MTG自体にもだいぶ慣れてきたので、しばらくは緑単を離れてコントロール系のデッキにも挑戦してみたいと思っている。