この記事では、自分がプレイした『ファイアーエムブレム(FE)』シリーズの難易度を独断でランキング付けしています。あくまで「個人の感想」としてお楽しみください。
リメイク前の作品(FC版『暗黒竜』『外伝』、SFC版『紋章』)は未プレイ。
- 2019年10月:風花雪月を追加
- 2023年5月:エンゲージを追加
- 2024年1月:新・紋章ルナティックを追加
FE難易度ランキングTier表
新・紋章の謎 ルナティック
if 暗夜編ルナティック
エンゲージ 邪竜の章ルナティック
風花雪月 ルナティック
エンゲージ ルナティック
蒼炎の軌跡 マニアック
新・暗黒竜と光の剣 ハード5
新・紋章の謎 マニアック
覚醒 ルナティック
ーーーー↑やり込んでないと詰むーーーー
トラキア776
ヒーローズ 伝承/神階英雄戦アビサル
烈火の剣 ヘクトル編ハード
封印の剣 ハード
if 白夜編ルナティック
if 透魔編ルナティック
if 暗夜編ハード
ーーーー↑てごわいシミュレーションーーーー
エンゲージ ハード
風花雪月 ハード
蒼炎の軌跡 ハード
新・暗黒竜と光の剣 ハード3
Echoes ハード
封印の剣 ノーマル
暁の女神 ハード
新・紋章の謎 ハード
ティアリングサーガ
if 白夜編ハード
ーーーー↑簡単すぎず難しすぎずーーーー
聖魔の光石 むずかしい
聖戦の系譜
新・暗黒竜と光の剣 ハード1
覚醒 ハード
風花雪月 ノーマル
烈火の剣 エリウッド編ノーマル
覚醒 ノーマル
ーーーー↑FE無双ーーーー
聖戦の系譜:広いマップで武器が戦う
上記のランキングでは最も古い作品。今なおコアなファンも多いタイトルだが、難易度的にはシリーズの中でもかなり低めの部類に入る。
マップの特徴として、広大な平地にポツポツと小隊が配置されているパターンが多い。
そのため、狭い通路を壁でせき止めて後ろからチクチク削る……というFEの定番シチュエーションは少なく、どうしても強いユニットを適当に突っ込ませてなんとかしてもらうという大雑把な展開になりがちである。
十二聖戦士の武器をはじめとした一部の武器が非常に強いのも特徴で、よく例に挙げられるフォルセティやバルムンクだけでなく、敵を倒して★を上げれば大抵の汎用武器が脅威の必殺率を持つ神器へと成長する。
更にどんな強力武器でも金さえあれば修理できるので実質使い放題。FE史上でも最も「武器」が重要な作品と言えるだろう。
デフォルトで毎ターンセーブ可能であり、闘技場で負けてもロストせず、ボスチクポイントも多い。総じて苦しい場面が少なく(ストーリー的にはともかく)、その意味ではプレイしやすい作品である。
しかし個人的には終章のペガサス三姉妹にとても手こずらされた思い出がある。
「見切り」で特効と必殺を無効にし、HPを吸収する武器を装備しているため、歴代のFEのボスの中でも相当に厄介な部類だと思うのだが、あまりそういう話は聞かない。苦戦したのは自分だけだったのだろうか……。
トラキア776:難しいというよりいやらしい
公式で「上級者向け」を謳っているだけあって、前作からうってかわって難易度はかなり高い。正確に言えば、難しいというよりも「いやらしい」。
まず、増援の数が多く出現ターンも長い。この時代の増援は出現すると同時に即行動するため、常に「いきなり出てきた増援に殺られる」恐れがあり難易度を大きく上げている。
メティオなどの遠距離魔法持ちが多いだけでなく、普通に動いて突っ込んでくるのも極悪。壁で後衛を守りながら持久戦……というFEの定石を破壊する禁断の戦術である。
その他、よく言及される要素だけでも「状態異常杖が強すぎる」「命中率100%と0%がない」「回復杖が確率で外れる」「ユニットの武器を外すと敵に捕獲される」「常に武器を敵から剥いで補充しながら進まないとほぼクリア不可」「理不尽な索敵マップ」「扉のカギを買い忘れただけで詰む」などなど、『トラキア』が難しい理由は枚挙にいとまがない。
こういった『トラキア』の高難易度は、マスクデータ(プレイヤーが確認できない隠し情報)の多さが一因である。
戦略シミュレーションというのは、ゲーム内の公開情報を元にその場その場で最善と思われる選択をしていくゲームである。
自分と敵のステータスを見比べ、計算し、すべての攻撃が当たって確率数%の必殺が出たとしても大丈夫……と確信した上でようやくユニットを動かす。これがFEの基本だ。
だが、こうした予測には必要な情報がゲーム内で十分、かつ正しく公示されている必要がある。
しかし『トラキア』には普通にプレイしていると分からないような(しかも重要な)マスクデータが多い。
例えば「聖戦士の書」という道具がある。ゲーム内の説明では効果がよくわからないが、実際は、持っていると「対応するステータスの成長率が少し上がる」「必殺を受けなくなる」という効果がある。
特に後者が非常に重要で、『トラキア』は必殺率が恒常的に高いため、聖戦士の書の必殺回避効果を知っているかどうかで進行の安定度が段違いに変わる(自分は7章でキルソードに幾度となくリーフが殺されているうちにたまたま気が付いた)。
他にも必殺係数と呼ばれる重要な隠し数値(こちらを参照)など、『トラキア』はプレイヤーに明示されていない仕様が多い。
逆に言えば、これらの仕様をすべて理解した上で上手く利用すれば、『トラキア』の難易度は大幅に下がる。索敵マップが難しいのも「初見では敵がどこにいるかわからない」からで、敵の位置と構成を予め把握しているならさほど不利ではない。
『トラキア』は初見殺しという点ではシリーズ最難関級であり、ランキングでは上位に置いたが、2周目以降は他の高難易度作に比べるとグッと難易度が落ちる。
いずれにしても『トラキア』はアンフェアな作品である。しかし、そのアンフェアさこそが『トラキア』なのである。
GBA3部作の先鋒。『トラキア』の影に隠れているが、難易度はなかなか高めである。
『トラキア』ほどではないが増援の数が多く、背後から急に出てきたりと出現ポイントもいやらしい。スリープやバサークといったレスト必須の凶悪な杖も多い。
特にゼロット・トレック・ノアを仲間にしつつ強力な飛兵と増援を開けた地形で相手にしなければならない7章(「オスティアの反乱」)や、砂漠の索敵マップで飛行兵が視界外から飛んでくる上に外伝のターン制限がある14章(「理想郷」)あたりが高難易度と名高い。
全体的に攻撃の命中率が低いのも『封印』の難易度を語る上で重要な要素だ。
ユニットや武器にもよるが、3すくみ有利でも命中率が70%ぐらいにしかならないことが少なくなく、命中運によって展開が左右されやすい(ゆえに味方ユニットの技ステータスが重要な珍しいFEでもある)。
特に玉座に座っているボス相手だと、命中率が低すぎる&地形効果の回復でダラダラとした展開になりがちである。
自軍のエース以外ではまともに攻撃が通らないことも多いので、結局エースを単騎で突っ込ませて回避無双するのが一番ラクな戦術になってしまう。
特に本作の場合はリブローが中盤から買えるので、なおさらエースの回避無双に拍車が掛かる。
ボスが硬すぎる問題は後のシリーズで改善されていくので、本作はFEの初期~中期の過渡期の作品と言えるかもしれない。
また本作は難易度設定(ハードモード)が初搭載されたFEである点も見逃せない。
ハードモードだと敵のステータスが全体的に上がり、特に序盤はザコ敵一人倒すのにも全員でかからなければならないぐらいに調整されており、かなりやりごたえがある。
一方で、中盤からは強いユニットが加入し育ってくることもあり、難易度はかなり下がる。
『封印』のハードモードには、敵軍から味方になるユニット(ルトガー・シン・フィル・ミレディなど)はハードの敵ステータス上昇補正を受けて加入するので初期値が非常に高いという、ハードブーストと呼ばれる仕様がある。これらの強ユニットをフル活用すれば、前述の無双推奨バランスも相まって極悪な難易度というほどではなくなる。
烈火の剣:洗練されたゲームバランス
GBA3部作の第2作。初めて海外で発売されたFEでもある。
本作から増援は出現ターンに行動しなくなったので、初見殺し要素は薄くなった。
命中率も全体的に高めに底上げされ、『封印』の不安定だったバランスを上手くブラッシュアップしている。
本作にはエリウッド編ノーマル/ハード、ヘクトル編ノーマル/ハードと計4種類の難易度がある。
エリウッド編ノーマルは敵のステータスが低く、ある程度育ったユニットならほぼ追撃が出せるためザコ戦で苦労することはほぼ無い。シリーズ全体で見ても最も簡単な部類であり、初心者への配慮を感じさせる。
一方でヘクトル編ハードはかなりの歯ごたえがある「てごわいシミュレーション」と化す。
『封印』ハードほど敵のステータスが大幅に引き上げられているわけではないのだが、敵の数がかなり増えているため、少しずつ削られた末やっつけ負けする……というパターンが多い。
敵に飛行兵も多く、物理と魔法が混じった敵が一斉に突撃してくるシチュエーションが多いことから、安易に壁でせき止めて耐えるのも難しい。
こちらも強い飛行兵を育てて、増援の飛行兵を出現ポイントで釘付けにしたり、防衛ラインを押し引きして上手く敵を処理するといった応用的な戦略性が要求される。
特に22章(「二つの絆」)や24章(「四牙襲来」ロイドルート)あたりは全ユニットを総動員しなければ宝箱回収や村訪問が困難な良マップである。
GBAシリーズでも評価の高い一作だが、その風評に恥じない 「初心者から上級者まで楽しめる」を体現した優れたゲームバランスと言えるだろう。
聖魔の光石:全体的にはやさしいが…
GBA3部作のトリ。前作ヘクトル編ハードからの落差か、「難易度が低い」と言われることが多い。
実際、前2作と比べるといやらしいマップは減っており初心者にも遊びやすいようにという配慮が感じられる。
特に終盤、エイリークとエフラムが合流した後は(難易度むずかしいでも)敵が弱く武器も貧弱。
特に20章~終章やラグドゥ遺跡は、大量の弱い魔物を(特効武器で)ひたすら倒すだけという大味な展開になりがちで、この終盤のイージーなバランスが作品全体のイメージに直結しているのだろう。
しかし、概ね簡単なマップの中に妙に難しいマップも局所的に混ざっているため油断は禁物である。
例えばエイリーク編13章のボス・パブロは非常に強力なステータスで、増援の情報を知っていなければロストは必至。
よく言及されるエフラム編11章(「幽霊船」)も、ラーチェル・ドズラを加入させようとするとシリーズでも上位級の高難易度マップとなる。
蒼炎の軌跡:「マニアック」ながら独自のバランス
敵も味方も耐久力が高い、シリーズでも異色なゲームバランスが特徴である。
GBAシリーズの「単騎回避無双」問題を解決するためか、『蒼炎』では味方・敵ともに守備・魔防が高く、1戦闘で敵を撃破するという展開がかなり少ないため、お互いに何度も戦闘を繰り返して少しずつ削り合うというシチュエーションが多い。
このため、本作で最も重要なステータスは「力」である。
敵の守備が高いため、力が無ければそもそもろくにダメージが通らない。なのでボーレなどの力が伸びるユニットは育てれば大体活躍するし、逆にワユやルキノといった非力な剣士は辛い。
難易度は、ハードならシリーズ経験者が初見でプレイしてちょうどよい歯ごたえを感じられるほどよい程度である。
ただし今作から追加された最高難易度マニアックは、その名の通りクセがある調整になっている。
全体的な難易度はハードからそれほど上がっているわけではなく、序盤はティアマトをメインに戦っていけばさほど苦労はしないのだが、終盤の一部のマップのみ、異常と言っていいほど難易度が跳ね上がる。
具体的には、まず20章(「ダレルカの攻防」)。
狭いマップに敵の数が多いため逃げ場がなく、背後からは飛竜が増援で出現、敵の拠点は遠距離魔法持ちで守備が硬く、おまけにターン制限まである。『トラキア』を想起させる容赦のない構成である。
24章 (「戦場の再会」)も難しい。
やはり敵が多くターン制限があるが、突撃してくる敵を捌こうと不用意に前に出ると、敵の飛行兵やシューターの攻撃範囲内に入ってしまい大変なことになる。強いユニットを前に出して多少強引に道を切り開かなければターン制限内にクリアするのは難しい。
しかし本当の地獄は26章(「激突」)である。マニアックのここはFEシリーズ全体で見てもトップ3に入る凶悪な超難関だと思っている。
開幕から全方位から敵が突撃してくるので壁を作ることができず、無理矢理角で壁を張っても、敵の騎馬が再移動で波状攻撃を仕掛けてくるため、繰り返し攻撃を受けやがて壁が崩壊してしまう。
『トラキア』よろしく移動する遠距離魔法持ちも出てくるし、増援も多い。そしてなにより、エリンシア様を守らなければならないので強いユニットのみで出撃する少数先鋭戦術も取れない。
こうした敵が波状攻撃を仕掛けてくるマップは、突撃してくる相手を有利なユニットの反撃で殲滅できれば楽になるのだが、『蒼炎』は前述の通り敵の守備が高く1戦闘で倒し切るのが難しいので、どうしても敵が後ろになだれ込んでくるのを止められない。
このような難所を乗り越えた末にたどり着く終章(「帰還」)も再び鬼門。
相変わらず敵は強く、数も多い。それでもラグネルを持った天空アイクであれば殆どの敵を反撃で殲滅できるのだが、しばらくするとアシュナードが他の敵を引き連れて突撃してくるので、こうなるといかにカンストまで育てたアイクでも押し切られてしまう。
最も楽な方法は、アイクに「怒り」と「勇将」を習得させて、体力が減った状態で一撃でアシュナードを倒すことだろう。これは「抜け道」ではあるのだが、自分の指揮力では正攻法でアシュナードを倒すことはできなかった……。
以上のように、蒼炎マニアックは終盤のいくつかの章が異常なまでの高難易度なため、ランキングでは最上位に置いた。マニアック(変質的)の名に恥じない難易度なのは間違いない。
暁の女神:前半は安定のバランス、後半はインフレの予兆
4部構成の大ボリュームだが、それゆえか難易度も不安定な部分が多く、評価が難しい。
FEは基本的に、ユニットの数が少ない序盤が少し難しく、 ユニットが育って強くなってくる中盤は簡単で、終盤になると敵が強くなってくるのでまた難しくなる、という難易度の推移をすることが多い。
『暁』も、(難易度ハードの場合)序盤の1部~2部は難しめで、歯ごたえのある攻略を楽しめる。特に2部終章(「女王エリンシア」)はストーリー上のシチュエーションも相まった名マップとして知られる。
しかし3部に入ると、アイクやガトリーといった「最初から強く、ちゃんと成長する」というFEにあるまじきキャラが大量に登場し、均衡が崩れ始める。
例えばシノンは(蒼炎と違って)初期値も成長率も高いため、わざわざ同じ兵種でレベルもステータスも低いヨファを使って育てる理由が(「かわいから」以外に)薄い。
更に4部に入ると、常時化身可能でハチャメチャなステータスを誇るラグズ王が大量に加入し、シナリオとともにゲームバランスも混沌の一途をたどっていく。
特に終章は、どのAreaも単純なマップ構成&大量の敵という構成で、「鍛えたユニットを大暴れさせる」ために意図的に単純化されている。
特にこだわりなく強いユニット優先で編成すると終章メンバーはラグズ王ばかりになってしまうし、実際それで問題なくクリアできるあたり、FEとしてもゲームとしても異色なバランスと言える。
ストーリー的にもユニットの性能的にも色々インフレが極まった4部終章の雰囲気は、良くも悪くも『暁』ならではという感じがする。
新・暗黒竜と光の剣:狂気の難易度「ハード5」
『新・暗黒竜』は、「ノーマル」と「ハード1~5」と6段階の難易度に細かく分かれているが、まずはハード1を標準的な難易度として考える。
ハード1の場合、序盤は敵のステータスが高めで戦闘の難易度も歯ごたえがある部類なのだが、ある程度進めていくと途端に簡単になる。
その理由は、本作は(直近の『暁』などと比べて)ステータスの数値自体が低いからである。
具体的には、『暁』だと終章付近でカンストまで育てるとステータスは30~40程度になるが、『新・暗黒竜』の場合は20~30程度でカンストする。
ステータスの数値が低いということは、相対的に数値1の差が大きいということであり、つまりレベルアップ時のステータス上昇(1ピン)の価値が高い。
なので、カインやアベルといった成長率が高いユニットに経験値を集中させてエースに育てると、あっという間に敵の攻撃が通らなくなり簡単に単騎無双できてしまうのである。
手槍が強いのもエースの無双に拍車を欠ける。
今作の手槍は、射程1~2/威力7/命中70/重さ7と優秀な性能の上に1章から安く買える。「手槍ゲー」になりがちなFEの中でも、とりわけ手槍が強い作品である。
一方でハード2以降はどんどん敵のステータスが上がっていき、ハード5になると敵が高威力の錬成武器を装備するようになる。ノーマルの終章よりもハード5の1章の敵の方が強いというインフレっぷりで、育てた主力でも2回攻撃されるとやられてしまうぐらい敵の火力が高い。
特に凄まじいのが序盤の敵ボスで、具体的には2章のゴメスと3章のハイマン。こいつらは高ステータスの上に手斧持ちで射程に穴がないので、ほぼすべてのユニットが追撃を受け確殺されるため交戦することすら許されないという狂った仕様。FEで最強のボスはアシュナードでもギムレーでもなくこいつらである。
初期値で確実に受けられるのはバーツのみ(オグマは必殺が1%残る)だが、上記のように1発受けるのがやっとであり、敵は砦の自動回復もあるので結局まともには戦えない。
ではどうするかと言うと、敵の攻撃を一発受けたら砦に戻って回復し、また攻撃を受ける……という作業を30回繰り返し、手斧を壊してから無防備になったところを攻める、という裏技のような戦術がほぼ必須となる。「こうすれば楽」なのではなく「こうしなければクリアできない」という点で、FE全シリーズの中でも一番狂ったバランス調整なのは間違いないだろう。
が、こうした序盤のボスを除けば(意外にも)ハード5は高難易度としてバランスが取れていて面白い。
単に敵のステータスが上がっているだけなのだが、それにより強いユニットでも安易な単騎無双が難しく、味方の頭数がなければ敵を倒しきれないので多くのユニットを育てるインセンティブが生まれている。
一方でワープやハマーンといった強力な杖が多く使えたり、マップセーブでやり直しが容易なこともあってプレイの自由度も高い。救出やスキルといったシステムがない分、基礎的なFEのテクニックが試される作品と言える。
その点ではやや玄人向けとも言えるが、ゴメスのあまりの強さにめげてしまった人は、ぜひもう少し先までプレイしてもらいたい。
新・紋章の謎:※マルスの速さがカンストしてないと詰みます
基本的な難易度は、ノーマル・ハード・マニアック・ルナティックの4種類。これに加えてルナティックをクリアすると隠し最高難易度として「ルナティック'(ダッシュ)」が解禁される。
ゲーム性は『新・暗黒竜』と概ね同じで、ステータスがデフレしているため強いユニットが育つとすぐに無双が可能。手槍の火力が大幅に弱体化しているなど調整も見られるが、ノーマルからハードまでならマイユニットを適当に突っ込ませているだけで簡単にクリアできてしまう。
一方でマニアック以上では敵もかなり強くなるため、無双が困難になるのも新・暗黒竜の高難易度と同じ。
中でも特筆すべきは初実装のルナティックだろう。1章からほぼすべての敵がぎん系武器を装備している容赦のなさであり、ほとんどのユニットは2回攻撃を受けるとやられるため、1マス単位での繊細な配置が要求される。
またルナティックでは敵のマムクートが1~2射程となったり、ワープを入手できなくなったり、同じ敵を何度も攻撃して経験値を稼ぐことができなくなるなど「抜け道」も潰されている。このあたりからも本気の高難易度という意気込みが伝わってくる。
しかしマップの構成は基本的にSFC版そのままなので、例えば4章のユミナとユベロ、10章のマリクや20章のミディアを救出するのは事実上レスキューが必須となる。このあたりはリメイクゆえのやや歪な部分だろう。
事前に準備していないと事実上の「詰み」になりうるポイントも多い。
具体的にはラスボスのメディウス戦で、敵のステータスが高すぎるため特効があるマルスのファルシオン以外ではかすり傷しか与えることができないのだが、マルスの速さが25(カンスト)まで育っていないとメディウスに追撃されて(回避しない限り)1戦闘で確実にやられるという厳しさ。
同様に、魔道士を育てていないと23章でガーネフが倒せずファルシオンを入手できず、メディウス戦の難易度が跳ね上がる。FEの高難易度は数あれど、特定のキャラを育てていないと詰むというのはあまり類を見ず、この点も含めてランキングでは最上位に置いた。
全体的に「想定された数少ない解法に辿り着けるか」というパズル的な攻略が要求されるタイプの難しさと言えるだろう。
本作もマップによる難易度のバラつきが激しい部類の作品である。
具体的には、原作に元からあるマップは基本的に簡単である。元が古い作品なので仕方ないが、今プレイするとマップの作りが単純である面は否めない。
一方で、リメイクにあたって追加されたマップ(前日譚・外伝・DLC)はいずれも戦略性が高く作り込まれており、難易度も相応に高い。
このあたりは、シリーズが続くにつれてマップデザイン・レベルデザインが洗練されている進化を如実に感じる。
しかし終盤は敵の能力もインフレするため、マイユニットでもだんだん力不足になってくる。
特に22章は敵の数が凄まじく、魔法攻撃のブレスを吐くマムクートの相手が辛い。終章も特定ユニットでシスターたちを説得するギミックをこなす必要があり、編成次第では苦労する。
覚醒:インフレ無双ゲーの極北
『暁』4部~終章の作風を更に推し進めたようなゲーム性が特徴。
すなわち、ステータスが敵味方ともに極限までインフレしており、結果として戦闘バランスが極めて大味になっている。
ノーマルは非常に難易度が低く、ランキングでは一番下に置いた。特にマイユニット(ルフレ)はどのステータスもバランスよく伸びる万能型なので、マイユニットを適当にダブルで強化して突っ込み、スタートボタンを連打するだけでクリアできてしまう。
ハードになると多少敵のステータスは上がるが、やはりマイユニットを育てれば中盤以降は楽勝。
マイユニットを使用せず、かつチェンジプルフによるレベルリセットを禁止し、さらにダブルと子世代の仕様も禁止して、ようやく従来シリーズの並程度の難易度となる。それぐらい覚醒のダブルによるステータス強化とデュアルアタック/ガードは強い。
しかしルナティックの序盤は打って変わってかなり難しい。敵のステータスが単純に上がっているだけなのだが、敵が全方位から突撃してくるタイプのマップが多いため力の暴力で押しつぶされてしまいやすい。
……がそれも序盤までで、やはりマイユニットが育つと簡単に無双モードになる。これはやはり、チェンジプルフでレベルを下げられる=いくらでも育成し放題というシステムが、FEのゲーム性と根本的に齟齬をきたしているからだろう。
『覚醒』ルナティック攻略で最も重要なのは序盤で、ここでいかに素早くマイユニットに経験値を与え、無双モードに入れるかが何より重要である。余裕があれば序盤に速さと守備を吟味しておくとなお良い。
ただし終章(「邪竜ギムレー」)のラスボスだけはフルカンストさせたマイユニットでも倒すのが困難なイカれたステータスなので、クロムかルキナをある程度育ててファルシオンで攻撃できるようにしておかないと詰む可能性が高い。
非常にアンバランスな難易度曲線だが、「進めによっては詰む」というのは間違っていないのでランキングでは上位においた。
『if』の難易度はノーマル・ハード・ルナティックの3段階だが、加えて「白夜王国」「暗夜王国」「インビジブルキングダム(透魔王国)」の3ルートがあり、それぞれ難易度やゲーム性に少なくない違いがある。
まず白夜編は、ルナティックでも中盤までは穏やかな難易度だが、終盤(23章以降)に入ると一気に難しくなる。『蒼炎』マニアックと同じタイプである。
24章や27章に代表されるように、遮蔽物の無いマップで大量の敵が波状攻撃を仕掛けてくるため、シンプルに難易度が高い。
一方で、非常に高性能なリョウマ(正確に言えば雷神刀)を中盤から使えるため、「○○の薬」などでステータスを補強し防陣を組ませれば、単騎でラスボスまで撃破は可能。おそらく意図的な強力ユニットとしてデザインされており、リョウマにどれだけ頼るかで白夜ルナティックの難易度はかなり変わってくる。腕に覚えがあるプレイヤーは、ぜひ雷神刀を縛ってプレイしてみてほしい。
一方透魔編は、上級職の敵が強めなものの敵の数自体は白夜編ほどではない。使えるユニットや武器が多いこともあり、個人的には白夜編より少し簡単なぐらいだと思っている。
さて残るは暗夜編だが、これは公称のとおりシリーズ最難関級である。
覚醒ルナティックのように、敵のステータスが跳ね上がっているというわけではない。むしろステータスはシリーズの高難易度の中では控えめであり、単純な殴り合いで極端に不利になるわけではない。マップ構成や敵の連携、スキルのコンボによって難易度が上がっている、戦略性を問われるタイプの難しさである。
本作ではステータス低下スキル(デバフ)が強力であり、強いユニットでもデバフからの一斉攻撃を受けると簡単にやられてしまうことも多い。これに加え、スキル「切り込み」持ちの攻撃を連鎖させることで壁役を強引に動かしたり、「蛇毒」で定数ダメージを与えてきたり、「負の連鎖」「無限の杖」でデバフを蓄積させてきたりと、様々な手で「強いユニットに無双させる」安易な戦術を封じてきている。
加えてマップのギミックも骨太だ。白眉は24章「白夜王女ヒノカ」。竜脈によって飛行ユニット・非飛行ユニットの移動力が変動し、戦況と発動のタイミングによって様々な攻略法と戦略性が存在する。後半は1マップが長く巻き戻し機能もないことから、クラシックモードの難易度は歴代でも随一と言っていいだろう。
加えてifのルナティックでは「成長吟味」や「ボスチク」といった、これまでのシリーズでは定番だった裏技的手法も不可能になっている。闘技場も無いので、DLCを使わない限り経験値稼ぎもできない。まさしくガチンコの戦略性のみで難関マップを突破する必要がある。
『if』は何度もプレイしているが、周回を重ねるごとに新たな発見と楽しみがある。何度もリセットを繰り返しているうちに、それまで思いつかなかった新たな戦術が見つかり、ユニットの新しい側面が見えてくる。
パズル的な攻略が求められる『新・紋章』と比べると攻略や育成の自由度も高めで、『烈火の剣』ヘクトル編ハードを進化させたようなゲーム性となっている。最難関の難易度と幅広い戦略性を兼ね備えた、FEシリーズの到達点の一つと言えるだろう。
Echoes:「RPG」としてのFE
難易度はノーマルとハードの2種類のみ。
FC時代のゲームのリメイクなので当然といえば当然だが、直近の『if』とはまた全く別物のゲーム性である。
『if』はユニットのHPが低めで、攻陣やスキルによって全体的に火力が高いため、シリーズでも屈指の「攻め」有利な作品である。どんなに強いエースユニットでも、一マス配置を間違えただけで次のターンには蒸発していることも数知れない。
一方でエコーズは、『蒼炎』ほどではないが一撃で勝負が決まることが少ない。要因としては、武器の持ち替えができず火力が低いこと、また全体的に地形効果が高いことが上げられる。
なにせ「墓」の上に乗るだけで回避率が60%も上昇し、城の中はすべて「城床」で20%回避上昇。3すくみもないため、(『封印』とは少し異なる感覚だが)終始命中率は不安定である。
このゲームバランスをフォローするために、リメイクにおいて追加されたのが「ミラの歯車」というやり直し機能である。
使用回数に制限はあるが、ユニットの行動を簡単に巻き戻してやり直すことができるため、ちょっとしたミスや不運をお手軽に「無かったこと」にできる。
これはいわば、定食屋のテーブルに置かれた調味料のようなものである。プレイヤーはミラの歯車を使うことで、この運要素の強いゲームを適度な難易度に「自分で調整」するのだ。
エコーズには他にも、敵の「魔女」がスキル「転移」で突然自軍の後ろにワープしてきて攻撃を仕掛けてくる、といった運要素の強い展開もある。FC時代のゲームらしい理不尽な要素であるが、これをリメイクの際にどうするかは悩みどころだっただろう。
そのままだと運ゲーすぎて理不尽だが、かと言ってカットしてしまうと原作らしさが失われてしまう……その折衷案がミラの歯車であり、すなわち「運ゲー」であることを否定せず、プレイヤーにその度合の調整を委ねるという判断である。
そんなわけでエコーズには「一手が命運を分ける」といった緊張感は薄いが、代わりに「カジュアルに魔物をザクザク倒して先に進む」というハクスラRPG的な快感はある。
ifに比べれば厳密な意味での戦略性は薄いが、ついつい何周もプレイしてしまう。こういうFEがあっても良いと思う。
ちなみにEchoesはFEには珍しく「取り返しのつかない要素」がかなり少ない(一部の仲間加入ぐらい)部類なので、シリーズ初プレイの入門用にもオススメである。
風花雪月:蘇った初見殺し
難易度はノーマル・ハード・ルナティック(発売1ヶ月後にアプデで追加)の3種類。
ノーマルは簡単、ハードはそこそこ、そしてルナティックはとても難しい、FEらしい難易度調整になっている。
ルナティックの概ね基本的に敵ステータスの高さで、烈火・覚醒と同じタイプ。
特に敵の速さが高く、こちらはよほど守備が高いユニットか、追撃を受けない程度に速さがあるユニット以外は、基本的に敵に狙われる=死ぬと考えたほうが良い。
この数値不利を覆すために、戦技(元から追撃が出ないので、速さが負けていても問題ない)や計略をフル活用しなければルナティックの攻略は困難だ。
特に1ターンの間、すべての被ダメージを1に抑える鉄壁の構えは必須と言っていいほど重宝する。使うか使わないかで難易度が激変するレベルで重要な戦技である。
また増援の嫌らしさも風花雪月の高難易度の一因。近年のシリーズでは増援は「敵フェイズの終わり」に登場するため、行動まで1ターンの猶予があることが多かったが、本作では基本的に「敵フェイズの最初」に登場する、封印以前の「登場即行動」なので、初見殺し度が高い。
難易度だが、例えばif白夜ルナティックと比べると、序盤は明らかに風花雪月の方が難しい。ifの序盤も十分難しいのだが、風花雪月のEp.2(赤き谷の討伐戦)とEp.5(ゴーティエ家督争乱)は歴代FE全体で見ても最難関級の熾烈さを誇る。
しかし序盤さえ超えれば、エースが育ってくるので中盤は楽、しかし終盤はまた少し難しくなってくる、というのはFEに共通する点である。
ただ、あくまでメインストーリーに絞れば、(ルートにもよるが)終盤はif白夜の方が難しいと感じる。ただしラスボスに関しては、if白夜は楽なので風花雪月の方が難しい。
そして外伝だが、これは明らかに風花雪月が高難易度である。クリアに必須でない分、嫌らしい構成やクリア条件になっている。
以上を考慮して、全体的にif白夜より難易度は上とした。
エンゲージ:「納得できる」高難易度
ゲームバランスや戦闘システムについてはこちらの感想記事で詳しく書いたので、ここでは難易度面に絞って語る。
初回プレイはハードでクリアしたが、やや難しめな部類に入ると感じた。風花雪月ハードよりは間違いなく難しく、暗夜ハードにも匹敵する。
難易度の理由は、とりもなおさず敵が指輪とエンゲージシステムを使ってくること。移動力強化、ワープからの攻撃、杖の射程延長など、単純な高火力攻撃から搦め手まで盛りだくさん。
しかしこちら側も指輪をフル活用している手前ある種の納得感があり、「高難易度だがインチキ感が薄い」という、これまでよりさらに一歩進んだバランス調整(?)がなされているのは見事である。
一方で2周目にプレイしたルナティックは、(最高難易度としては)序盤~中盤は簡単な部類に入ると感じた。後半になると敵のステータスも上がり難しくなってくるが、全体的に風花雪月のルナティックほど苦労しなかった印象がある。これが対照的で興味深い部分だ。
より正確に言うと、マップ構造自体は風花雪月よりエンゲージの方が高難易度に作られていると思う。にも関わらずエンゲージの方がいい意味でサクサクストレスを感じずにプレイできるのは、とりもなおさずこちらが取れる戦術の幅が広いからだろう。
具体的にはクラスチェンジやスキル継承、武器の強化(特に紋章刻印)、そしてもちろん指輪を使ったエンゲージであり、難しい場面でもエンゲージをフル活用すればなんとか突破できることが多い。
風花雪月ルナティックは、増援即行動と計略のミスという2つの要素が難易度を上げる大きな要因になっていたが、エンゲージの場合はそうした運に振り回される要素がかなり減っている。これがエンゲージが「難しいけど遊びやすい」理由である。
しかし本編が少し簡単だったというプレイヤーには、邪竜の章ルナティックという真の最高難易度も用意されている。こちらは本編とはやや仕様が異なるものの、難易度で言えば『新・紋章』や『if』暗夜編に匹敵するシリーズ最高峰だろう。
邪竜の章はユニットのステータスや使用できるアイテムが固定のため、抜け道が無いのがとにかく厳しい。例えばエースユニットをドーピングアイテムで強化して反撃で敵を全員倒してもらったり、フリーズやドローなどの強力な杖を使って難所を突破する、と言った強引な戦術が封じられている。しかし、代わりにエンゲージシステムはフル活用できるので戦略性や自由度は十分に保たれているのが見事だ。
特に、何重もの時間制限で徹底的にプレイヤーにプレッシャーを与える5章と、FEの集大成と言ってもいい6章は歴代最高峰の高難易度マップであり、ランキング最上位にふさわしい難しさと達成感を与えてくれる。
ティアリングサーガ:生き別れの兄弟
FEの異母兄弟。「不幸な生い立ち」の末に母親たちが法廷で骨肉の争いを繰り広げることにもなった…ってなんだかFEの主人公みたいな境遇を持つ作品(詳しくはWikipediaなどを参照)。
しかしゲームとしては作風もシステムもほぼFEまんまであり、実質FEとしてランキングにも入れることにした。
難易度は概ねシリーズ中でも普通程度だろう。
ホームズ側でどれぐらい経験値稼ぎをするかにもよるが、序盤は少し難しめ(特に最初のマップが妙に難しいのはどうなのか)だが、中盤は楽。しかしマップ34を山場とする終盤はまた少し難しくなるという難易度曲線もFEそのもの。
特にマップ34はFEシリーズ全体で見ても上位に入る難易度だろう。
序盤に高台をいかにスムーズに占拠するか、砦を抑えて増援を断つかがポイントになる。増援をシャットアウトできないと、延々と登場する増援を相手に不毛な消耗戦へと突入する(経験済)。
ヒーローズ:スマホサイズながらFEの血統
Android・iOS用アプリという都合上、本編シリーズとは異なる点も多いものの、基本システムやゲーム性は共通しているため、列記とした「FEシリーズ」の一員としてランキングに含めることにした。(※以下の記述はver3.4.0の仕様に基づく)
モバイル用にマップは縮小されているものの、「追撃」「反撃」「3すくみ」「特効」といったシステム面はほぼ本編そのまま。
その中で本編と最も異なる点は 「育成」面だろう。アプリのリリース当初こそレベル40まで経験値を稼ぐのは一苦労だった記憶があるが、現在ではレベル上げ用のマップを使えば新規入手したユニットを育て上げるのに10分もかからず、「育成」要素はほぼ形骸化している。
反面、重視されているのが「トライ&エラー」を前提とするプレイスタイル。
現在ヒーローズで最も高難易度なコンテンツは「伝承英雄戦」で、中でも最高難易度の「アビサル」はかなりの高難易度であり、単純に相性の良いユニットをぶつけるだけの基本戦術だけではクリアは難しいバランスになっている。
しかし、何度もリトライして敵の動きやスキル構成の隙を見抜き、戦略を練ることで、最初はとても無理だと思われていた難マップでもいつの間にかクリアできている。この攻略のプロセスと快感は、本編とまったく同じである。
長いマップをミスしないように慎重にプレイする本編に対し、短いマップを何度も死にながら少しずつ攻略の糸口を掴んでいくヒーローズ。スタイルは違えど、FEの戦略性と面白さはまったく同質である。もしFE本編のファンで、ヒーローズを「ソシャゲだから」と食わず嫌いしている人がいたらとてももったい無い。
登場キャラが多くスキル継承も自由なので、編成の自由度は本編とは比較できないぐらい高い。そのため、使用するユニットによって難易度は大きく変動する。
2023年現在は味方ユニットの専用武器・スキルが非常に強力になっており、強いユニットを使えばアビサル攻略はさほど難しくなくなっている(このためランキングを少し下げた。)
とは言え、初期実装のユニットや配布キャラのみで挑めば歯ごたえがあるのは変わりない。この自由度も『ヒーローズ』ならではなので、ぜひお気に入りの相棒ユニットと共に高難易度マップに挑んでみてほしい。
おわりに:高難易度の格付けとゲーム性の違い
冒頭のランキングでは『新・紋章』ルナティックを1位にしたが、『if』暗夜編や『エンゲージ』邪竜の章終章あたりはいずれも甲乙付けがたい高難易度であり、プレイスタイルによってもこのあたりの順位は入れ替わるだろう。
例えば『新・紋章』は仲間を全員加入・全員生存させようとするとさらに難易度は跳ね上がるが、逆に生存にこだわらないなら多少は易しくなる。
『if』はクラシックモードだとマップ中にセーブできないので、特に暗夜編終盤の長いマップは『新・紋章』より難しい。逆にカジュアルモードで毎ターンセーブしながら進めるならかなり楽になる。
『エンゲージ』や『風花雪月』も巻き戻し機能を使うかどうかで難易度はかなり変わってくるため、万人が納得するリストは存在しないだろう。
あくまで個人的な好みで言うなら、高難易度とプレイの自由度を兼ね備えた『if』と『エンゲージ』が最高傑作だと思っている。
『烈火の剣』や『蒼炎の軌跡』もいい。これらの作品は、難しいが理不尽ではない絶妙なバランス調整に成功している。
一方で敵のステータスや武器を強化して難しくしている『封印の剣』『新・暗黒竜』『新・紋章』『覚醒』『風花雪月』は、上記の作品に比べて不公平に感じやすい。
もっとも、これらの作品も結局は楽しんでプレイしてしまえるあたりはFEというシリーズのレベルの高さを感じる。
「てごわいシミュレーション」はCMソングで使われたFEシリーズのキャッチコピーの一つである。
自分がFEをプレイするのは、もちろんキャラクターやストーリーや音楽にも魅力を感じるが、「難しい(戦略性が高い)マップに何度も繰り返し挑み、必勝法を確立する」攻略の過程に楽しみを感じるから、というのが最大の理由だ。
FEの魅力は、同じ作品でも編成・成長・縛りプレイなどによって毎回異なる物語が紡がれる点である。これからも色々な遊び方でFEの世界を楽しむことができると思うと、いつも初めてのプレイと同じようにワクワクするのである。