2021/02/27

【MTGA】カルドハイム期のBO1ランクマッチ 環境・メタゲーム考察

※この記事の内容は、2021年2月(エルドレインの王権~カルドハイム)期のスタンダード環境に基づきます。

今月(2021年2月)は久々にミシックに到達できたので、その道のりとBO1ランクマッチのメタゲームを考察。

参考:『カルドハイム』期スタンダードの「始まり」と「今」を追え(公式記事)

BO1のメタゲーム

今月はひたすらBO1を回し続けていた。 

Untapped.gg(トラッキングツール)で集計した自分のデータによれば、今月の全試合(441戦)のうち、一番多かったのが対戦相手が赤単(76戦)で全体の約17%
次に多いのが白単約12%。BO1ではこの2種類の単色アグロデッキが全体の3割を占める。

その次はディミーア(ローグ)が約11%、スゥルタイ(根本原理)が約8%で、上位4アーキタイプで全体のおよそ5割となる。

なので今BO1で勝つには、この4つのデッキに対して(サイドボード無しで)安定して戦えることが条件となる。


ボロス・アグロ ~《スカルドの決戦》が超強い~


自分がまず使っていたのは、上のボロス・アグロ

1マナから攻めていく速攻デッキでありながら、《スカルドの決戦》狂気じみたアドバンテージ生成力によって長期戦にも対応できる。

《スカルドの決戦》は言うまでもなくはちゃめちゃに強いカードで、ミッドレンジ相手のアドバンテージ獲得手段としてはもちろん、2~3章のクリーチャー強化能力によってライフ10点程度なら簡単に削り取れる爆発力がある。

このボロス・アグロでゴールドランクからダイヤランクまで簡単に駆け上がることができたのだが、ダイヤ帯に上がると赤単と白単が増え、《スカルドの決戦》が活きる前にやられてしまう試合が多くなってしまった。

《砕骨の巨人》は赤単相手にはあまり強いカードではない。《霜噛み》1発でどかされテンポを失ってしまうし、《スカルドの決戦》は4ターン目に撃っても盤面に影響しないため悠長なのだ。


イゼット・テンポ ~《黄金架のドラゴン》が超強い~

そこで気分を変えて使ってみたのがイゼット・テンポ

赤の除去と青の打ち消しを用いたイゼットカラーのコントロールデッキは前環境から細々と存在していたが、カルドハイムで《黄金架のドラゴン》を入手し大幅強化。クロック・パーミッションとしてのデッキパワーが格段に上昇した。

実際使っていても《黄金架のドラゴン》の存在感は非常に大きく、このカードを引けるかどうかで勝率が大幅に変わるレベルで強い。

このイゼットデッキでダイヤランクTier1まで上がれたものの、そこからまた負け越してミシックまで上がりきれず。

やはり最も数が多い赤単に勝ちきれないことがネックだった。上のデッキリストでは赤単を意識して除去を増やしているが、これでも焼け石に水である。

また白単の《歴戦の神聖刃》も対処が困難。《魂焦がし》は3マナのため、メインから入れるとこのデッキの長所であるテンポを阻害してしまう点が難しい。


ラクドス・サクリファイス ~(理論上)BO1最強?~

赤単と白単が多いならと、次に使ったのはラクドス・サクリファイス

コントロール奪取と生け贄を組み合わせた戦術はアグロ相手に有効であり、目論見通り《無私の救助犬》や《歴戦の神聖刃》といった破壊不能を武器に戦う白単に対しては有利に戦えた。

非クリーチャーデッキには不利だが、(上のリストには入っていないが)《スカイクレイブの影》や《義賊》を入れれば、スゥルタイ根本原理相手にもランプされる前に削り切って勝つことは一応可能。
無論、ローグに対しても脱出クリーチャーが対策として機能する。

これで一時期少しランクを上げたものの、やはりどうしてもTier1の壁が破れず、結果的に勝率5割を超えられなかった。

デッキ構成か自分の腕の問題かはわからないが、赤単に大きく負け越してしまったのが痛かった。
クロクサを拘束で脱出させることができればまず勝てるが、上手く回らないと横並びでライフを削られて押し切られてしまうのだ。

白単アグロ ~環境の適応者~

こうして様々なデッキを試し、最後に使ったのが2番人気の白単アグロである。

結果から言うと、この白単を使ったとたんにTier1の壁を破れ、あっという間にミシックに到達できた。現在のBO1環境に最も適合したデッキということだろう。

白単の長所は、赤単スゥルタイ両方に相性が良いこと。

《歴戦の神聖刃》は赤単には除去困難であり、《傑士の神、レーデイン》は赤単の主流である氷雪土地や《エンバレスの宝剣》を妨害しつつ、タフネス3の壁となる。
《灰のフェニックス》や《黄金架のドラゴン》も《スカイクレイブの大槌》で防げるし、《命の恵みのアルセイド》や《夢の巣のルールス》を《光輝王の野心家》で強化すれば絆魂でライフレースを大いに有利にできる。

スゥルタイ相手にも、除去耐性を持つ小型クリーチャーで攻め立てつつ、《戦闘の神、ハルヴァール》で一気に削りきれる。《不詳の安息地》も全体除去をかわせるクロックとして非常に安定感がある。
むろん除去耐性はローグ相手でも有効であり、BO1の主流デッキの多くと安定して戦えるのだ。

ただし白単はアドバンテージ獲得力に欠けるので、アドベンチャーなどアドバンテージを重視したミッドレンジが増えてくると不利になってくるだろう。

メタゲームが回転し、強すぎるデッキが(今の所)ないカルドハイム期のスタンダードは、かなり良い環境だと感じている。