2021/10/16

Nintendo Switch Online+追加パックは安い(月409円)けど高い(年4900円)―柔軟性のない料金プランの理由は?

先日、「Nintendo Switch Online+追加パック」の料金プランが発表された。

「Nintendo Switch Online+追加パック」とは、従来のSwitchの定額制オンラインサービスに追加で特典を受けられる新たなサービスで、既に発表されていた「ニンテンドー64&メガドライブのバーチャルコンソール(VC)」に加え、『あつまれどうぶつの森』のDLC「ハッピーホームパラダイス」も無料でプレイが可能となる。

しかし注目の料金は「年間4900円(一ヶ月あたり409円)」ワンプランのみ。従来プランが年間2400円(一ヶ月あたり200円)なので、およそ倍となる。
これに対して「高い」「いや安い」と様々な意見が飛びかっているようだ。

個人的な感想を述べると、「月409円は安いが、年4900円は高い」と感じた。
「月409円と年4900円は一緒だろ!」と思うかもしれないが、全然違う。それが、この追加パックの厄介なところなのだ。

1ヶ月だけ入らせて!

従来のSwitch Onlineと追加パックの違いは、年間プラン以外の料金体系があるかどうかだ。
従来なら「年間2400円」だけでなく「1ヶ月306円」「3ヶ月815円」のプランも存在する。つまり「オンラインで遊びたいときだけ加入する」という利用の仕方が可能なのだ。

事実、自分もそういう利用の仕方をしている。『スマブラSP』や『マリオメーカー2』のオンライン対戦を毎日遊んでいたときは年間プランで契約していたが、今は『スマブラ』にたまにさわる程度なので、「いっせいトライアル」で興味があるタイトルが配信されたときだけ306円払って加入するスタイルだ。

↑公式サイトの但し書き。現状、追加パックに1ヶ月単位で加入することはできない。

なので追加パックも「1ヶ月だけ入って64のソフトを軽く遊ぶか~」という気でいたのだが、年間4900円のみのワンプランだと流石に加入を躊躇してしまう。
1ヶ月409円なら間違いなく(1~2ヶ月間は)お試し気分で入っていたが、4900円となると新作ソフトが一本買える値段である。入りづらい。自分のような人は少なくないはずだ。

『時のオカリナ』や『スターフォックス64』をやりたいなら3DS版もあるし、『マリオテニス64』のために4900円払うならもうSwitch版『マリオテニスエース』を買えば良いのでは……とも思ってしまう。

そもそもSwitch Onlineのバーチャルコンソールは「オンラインサービスのオマケ」のような立ち位置だったはずだ。
「今更お金を払ってファミコンのゲームを買うのはなんだかなあ……」という人でも、実質無料ならさわってみるかという気になる。そういう絶妙な心理を突いたサービスだと思っていた。

だが追加パックの場合は、64&メガドライブのゲームを遊ぶために明確に追加料金を支払いにいかなければならない。
年4900円は軽い気持ちでは少々払いづらい金額であり、ライト層は手を出しづらい。1年間ずっと64のソフトを遊び続けたいと思っている人は多くないはずで、割高感は否めない。
一方で本気で64・メガドライブのソフトを遊びたいというコア層は、すでに(実機や他ハードの移植など)他のプレイ手段を持っている可能性が高い。どうもサービスと料金プランが噛み合っていない気がする。


年間プランしかないのは「ハッピーホームパラダイス」があるから?

なぜこんな柔軟性のない料金体系になってしまったのか?
これはおそらく「あつまれどうぶつの森 ハッピーホームパラダイス」が追加パックにビルトインされている都合だと思われる。

「ハッピーホームパラダイス」は単体のDLCとして購入した場合、2500円だ。すなわち、

  • 従来のオンラインプラン(年間2400円)+ハッピーホームパラダイス(2500円)=追加パック(年間4900円)

というシンプルな計算式が成り立つ。追加パックの年額はハッピーホームパラダイスの価格から逆算して決定されたのだろう。

1ヶ月プランがないのもこれが理由だろう。1ヶ月だけ加入して「ハッピーホームパラダイス」を遊び尽くしてしまえば、実質12分の1の価格でDLCを購入できてしまうからだ。(1ヶ月で「ハッピーホームパラダイス」を遊び尽くせるかはわからないが……)

すなわち、「『あつ森』のDLC」と「64&メガドライブのVC」というまったく別の特典を同じサービスに押し込んだ弊害が出てしまっていると感じる。任天堂も色々な料金プランを模索している最中だと思うが、どうも考えすぎて不自然な形になってしまったようだ。

個人的には、「ハッピーホームパラダイス」を抜いた「64&メガドライブのVC」のみのプランだけで良いので、1ヶ月単位で加入できるようにしてもらいたいと思っている。
もちろん、今後この追加パックに他のソフトのDLCを無料で遊べる権利などが追加されていく可能性もある。いずれにしても、今後の展開に注目したいところだ。