2018/04/04

『こち亀』の作風変遷・全盛期・女性観について考える

こち亀は何巻ごろが「全盛期」か? そして、何巻ごろからダメになったのか?

『こち亀』こと『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のファンが集まると、自然とこういう話題になる。
「ファン」なのに「ダメになった」こと前提かよ、とツッコまれるかもしれないが、残念なことに「こち亀は1巻から200巻まで全部最高だよ!」と主張する人はほとんど見たことがないので仕方ない。
マンネリ化・キャラ崩壊・作者の衰え……『こち亀』は日本を代表する長期連載作品であり、それゆえ長期連載作品の負の側面も代表してしまっている。

最も多い意見としては、「100巻までは面白いが、それ以降は……」とよく言われる。
100巻までというのは区切りが良いし、概ね多くの人が同意する分け方のようだ。
もう少し厳しい人は「いや、麻莉愛が出てきたあたり(67巻)からすでに下り坂だ」と主張したりもする。

このようなことを考えながら、今回『こち亀』をざっと読み返してみたので、各時代(10巻単位)ごとの作風の変遷を辿ってみた。

2017/11/22

「地底の館」はローグライクを救うか 『風来のシレン5 フォーチュンタワーと運命のダイス』


『風来のシレン5 フォーチュンタワーと運命のダイス』をプレイ中。

本作は2010年のDSソフトで、2015年にはPSVitaに移植されているが、それを最後に『シレン』シリーズは音沙汰が無くなり、新作が出る気配は無い。
 チュンソフトが誇る「不思議のダンジョン」シリーズの代名詞であり、熱烈なファンが多いシリーズでもある『シレン』だが、このままフェードアウトしてしまいそうな気配がしている……。

しかし、そうなったとしても仕方ないという諦観もある。
『シレン』は確かに面白くて奥深い。だが同時に、その面白さ・奥深さを初心者やライトユーザーに伝える方法に苦労し続けてきたシリーズでもあるからだ。

2017/10/08

物語が終わっても、人生は続く―『中2の男子と第6感』最終巻と(長い)エピローグについて


福満しげゆき『中2の男子と第6巻』の最終巻(4巻)を読んだ。

物語としては、3巻の中盤ぐらいで作品の目的である「イジメっ子への逆襲」が半ば完遂されてしまっており、その後はやや中だるみ感が否めなかったものの、とりあえず作中の要素をすべて回収して完結したので満足だ『ゾンビ取りガール』の復活はいつになるのだろうか……?

特に興味深かったのは、やはりラストの展開である。

2017/01/18

青春に終わりなんて無い(と思いたい) 『青春群像』フェデリコ・フェリーニ


1953年の映画だが、古さを感じさせるのは邦題だけで、描かれているのは普遍的な「青春」=モラトリアムを生きる青年たちの姿である。

2016/10/21

「延長戦」が生んだ逆転劇 『いちご100%』の結末について


『いちご100%』を初めて通して読んだ。
週刊少年ジャンプで連載していたときは「お色気ラブコメ枠」としてしか認識していなかったのだが、改めて読むと「青春もの」としても優れた作品だと思った。

特に印象的だったのは、やはりラストの展開、すなわち東城ではなく西野と結ばれるという、ラブコメの予定調和をぶち壊したエンディングである。

2016/07/26

なぜ比呂は高速スライダーを投げなかったのか―『H2』の結末・最終回について


夏なので『H2』を読み返していたが、やっぱり面白い。
高校野球漫画として大傑作なのはもちろんのこと、今回は恋愛作品としての結末、すなわちひかりが主人公の比呂ではなく英雄を選ぶというエンディングに考えさせられた。

初めて『H2』を読んだときは、この終わり方に結構な衝撃を受けた。
主人公は比呂で、メインヒロインがひかり。あだち充(に限らないが)マンガの定石として、2人がくっつく以外の終わり方は想像していなかった。
しかも最後の試合(甲子園準決勝)で、比呂は英雄を三振に取ったのだ。試合に勝ち、勝負にも勝ったのに、恋愛では負けた。こんな終わり方をする野球・恋愛マンガは他に無いのではないか?

しかし今回じっくり読み返して、この展開は決して突飛ではない、必然的な結末だと思い返した。
すなわち『H2』は、「比呂がひかりに(ちゃんと)失恋するまでの話」なのである。

2016/06/13

ガラスケースに閉じこめて―『ライ麦畑でつかまえて』続編騒動とサリンジャーの伝記


サリンジャーに関する評伝を何冊か続けて読んだ。
特に興味深かったのは、2009年に起きた『ライ麦畑でつかまえて』の「続編騒動」にまつわるエピソードだった。