2020/01/26

【ポケモン剣盾】レンタル専・ダブル初心者の「おいかぜトリルスイッチ」入門

ポケモンは育てるものじゃない、借りるものだ!をポリシーに、『サン・ムーン』に続いてレンタルパーティーだけを使ってランクマッチをプレイしていた。
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シングルバトルは相変わらずミミッキュが支配する代わり映えのしない環境だが、逃げた先のダブルバトルが面白い

ダイマックスにより天候の操作と全体バフ・デバフが容易になったことでプレイの自由度が増している。
「ゲーフリはダブルバトルを前提に対戦バランスの調整をしている」というのはこれまで正直眉唾だったのだが、今回に関しては真実かもしれない……。

ダブルバトルはあまり経験がなかったが、レンタルパーティーでシーズン1・2共にマスターボール級まで行くことが出来たので、自分のような初心者向けにダブルバトルのパーティーの類型を以下にまとめた。 
  • ※以下の記述はすべて、シーズン1~2の環境に基づくものです。

ダブルバトルパーティーの類型

スタンパ

特にギミックにこだわらない、スタンダードなパーティー。シングルバトルと同じく、単体でも性能が高いポケモンが多く使われる。
後述のトリパに対抗するため、高速ポケモンと鈍足ポケモンがバランス良く入っていることが多い。
比較的オーソドックスなスタンパ(バンドリ入り)の一例。

ギミックに頼らないため、どんな相手にも対応しやすいのが長所。
一方でギミックパのコンボが決まった際の爆発力には劣るので、相手に合わせた適切なプレイングが要求される。

スタンパでよく使われるポケモン

  • 単体性能の高いポケモン:ドラパルト・トゲキッス・ミミッキュ・ヒヒダルマ・ドリュウズ・サザンドラ・バンギラス、各種ロトムなど
    • シングルでも良く見るおなじみのメンバー。
  • いかく要員:ギャラドス・ウィンディなど
    • ダブルでは「いかく」は敵2体に掛かるので非常に強力。
    • ウィンディは「バークアウト」(相手2体の特攻を下げる攻撃技)も覚えるため、デバフ撒き要員として使われることも多い。 
  • サポート要員:オーロンゲ・ジュラルドンなど
    • オーロンゲは特性「いたずらごころ」で「リフレクター」「ひかりのかべ」「でんじは」などを先制で撃ち、後続をサポートできる。
    • ジュラルドンは特性「すじがねいり」で、「このゆびとまれ」や「サイドチェンジ」を無視して確実に攻撃できる。

おいかぜパ(高速パ)

「おいかぜ」(4ターンの間自軍の素早さが倍)や「ダイジェット」(自軍の素早さを1段階アップ)によって味方の素早さを上げ、先制攻撃で敵を倒していくパーティー。
上から潰すというポケモンバトルの基本に沿った、ある意味オーソドックスな戦い方と言える。
「おいかぜ」などのフィールドサポートを重視したパーティーの一例。
特にダブルバトルでは速いポケモン2体で集中攻撃すれば固い鈍足ポケモンでも落とせる事が多いため、素早さを上げて上から殴ることの重要性はシングル以上に大きいと言える。
弱点は後述するトリパに弱いこと。

おいかぜパでよく使われるポケモン

  • おいかぜ始動要員:エルフーン、ペリッパー、バタフリー、ウォーグル、アーマーガアなど
    • エルフーンは「いたずらごころ」で優先的に補助技を撃てるので、おいかぜとの相性は抜群。
  • ダイジェット要員:ギャラドス・リザードンなど多数
  • 先制アタッカー:ウオノラゴン・パッチラゴンなど
    • 「先制すると火力2倍」の技を持つウオノラゴン(えらがみ)・パッチラゴン(でんげきくちばし)は強力。
    • 他には2体同時攻撃でひるみを狙える「いわなだれ」を上から撃てるポケモン(ドリュウズ)なども好相性。

トリパ(トリックルームパ)

「トリックルーム」(5ターンの間すばやさが遅いポケモンから行動)を使って、すばやさが低い鈍足ポケモンで戦うパーティー。
素早さが低いポケモンはその分攻撃力や耐久力に優れていることが多いため、上手くトリックルーム(トリル)を発動することができれば「固い、強い、速い!」無敵のポケモンを暴れさせることができる。
普通のパーティーは「いかに素早さを上げて先制するか」に腐心しているため、相手の素早さ上昇の目論見を逆利用できるのが強力。
いかにもトリルしてきそうな並びの一例。
弱点はトリックルームの始動を妨害されると脆い点。鈍足ポケモンで揃えたガチガチのトリパほど、トリルが発動できるかどうかの依存性が高い。
このため、トリパであってもある程度速いポケモンを混ぜている場合や、相手や展開によってはトリックルームを使わないスイッチパ(後述)も多い。

トリパでよく使われるポケモン 

  • トリックルーム始動要員:ブリムオン・イエッサン♂・サマヨール・ドータクン・エルフーン・ゴチルゼル・ミミッキュ・ヤレユータンなど
    • 自分も鈍足高火力なブリムオン、「ねこだまし」のひるみを無効化できるイエッサン♂・ヤレユータン、「ばけのかわ」により行動保証があるミミッキュなどそれぞれ個別の強みを持つ。
  • トリル発動サポート要員:このゆびとまれ(トゲキッス・イエッサン♀・ピクシー)、いかりのこな(バタフリー)など
    • 攻撃を自分に誘導することで、トリル始動役を落とされづらくする。
  • 鈍足アタッカー:ドサイドン・カビゴン・コータス・ハガネール・ブリムオンなど
    • ダイマックスや「じゃくてんほけん」などと組み合わせると更に強力。

天候パ

特定の天候下で強化されるポケモンをメインに据えたパーティー。
雨パ・晴れパ・砂パ・霰パがあり、それぞれ違いはあるが、得意な天候で戦うことができれば相手に優位に立てる点は共通している。

『ソード・シールド』ではダイマックス技(ダイバーン→晴れ、ダイストリーム→雨、ダイロック→砂嵐、ダイアイス→霰)により従来より遥かに天候にアクセスしやすくなったため、天候パにとっても、天候パを対策する側にとっても柔軟な動きができるようになった。本作最大の良調整点と言っても良いだろう。

雨パ

雨パでよく使われるポケモン

  • 「あめふらし」役:ペリッパー
    • 「おいかぜ」による素早さ上昇や、必中「ぼうふう」による草対策など幅広い役割を持てる。
  • 雨アタッカー:カマスジョー・ルンパッパ・ウオノラゴン・ガマゲロゲなど
    • 雨で水技の火力が1.5倍に、「すいすい」で素早さが2倍になるため「上から殴る」シンプルな戦い方が強い。 
    • 「しおふき」(自分のHPが多いと威力増加)を上から連発するパターンも。
  • サポート役:「ひらいしん」持ち(ライチュウ、ピカチュウ、ドサイドンなど)、炎弱点持ち(ナットレイなど)、ブルンゲルなど
    • 「ひらいしん」は電気技を無効吸収できるため、水タイプの味方を守ることができる。
    • 雨下では炎技の威力が下がるので、ナットレイなど炎弱点ポケモンと相性も良い。
バトルタワーでレンタルできる雨パ。

晴れパ

晴れパでよく使われるポケモン

  • 「ひでり」役:コータス・キュウコン
    • コータスは火力が高く、トリルと合わせてエースアタッカーとして使われることも多い。
  • 晴れアタッカー:リーフィア・ダーテング・リザードン・エースバーンなど
    • 「ようりょくそ」によって素早さが上がり「ソーラービーム」「ソーラーブレード」をタメ無しで撃てる草タイプと、晴れによって火力が上昇した炎技を撃てる炎タイプがメイン。
    • リザードンは「サンパワー」によって更に火力を上げられる。
  • サポート役:チェリム・ラフレシアなど
    • チェリムは「フラワーギフト」により味方の攻撃と特防を上げられる。
    • ラフレシアは「ようりょくそ」により上がった速さから「ねむりごな」を撃って相手を妨害したり、「おさきにどうぞ」で味方に行動権を授与できる。

砂パ

砂パでよく使われるポケモン

  • 「すなおこし」役:バンギラス・カバルドン・ギガイアス
  • 砂アタッカー:ドリュウズ・ドサイドンなど
    • ドリュウズは「すなかき」で素早さが上昇。バンギラスと組み合わせる「バンドリ」は砂パのテンプレート。
  • サポート役:鋼タイプ(アーマーガア・ジュラルドンなど) 、イシヘンジンなど
    • 鋼タイプは砂嵐によるスリップダメージを受けない。

霰パ

霰パでよく使われるポケモン

  • 「ゆきふらし」役:ユキノオー・バイバニラ
  • 霰アタッカー:グレイシア・ヒヒダルマなど
    • 霰下では「ふぶき」が必中。ダブルでは相手2体に同時攻撃できるため、連発しているだけでも強力。
  • サポート役:モスノウ、コオリッポ、バリコオルなど
    • 霰下のみで発動可能な「オーロラベール」は「リフレクター+ひかりのかべ」という非常に強力な補助技。

コンボパ・ギミックパ

以上の類型に当てはまらない固有のコンボをメインの勝ち筋に据えたパーティー。
バリエーションは幅広いが、概ねサポート役でエースアタッカーを強化するパターンが多い。

主なギミック(一部)

  • このゆびとまれ+はらだいこ
    • 「このゆびとまれ」で相手の攻撃を誘導し、その隙にアタッカーが「はらだいこ」で火力をマックスまで上げるコンボ。
    • はらだいこ役はヒヒダルマ・リザードン・カビゴンなど。
  • せいぎのこころ+ふくろだたき
    • 「ふくろだたき」(味方の数だけ連続攻撃)で「せいぎのこころ」(攻撃を受けるたびに火力が上昇)を持った味方を殴り、一気に攻撃を4段階上昇させるコンボ。 
    • 「せいぎのこころ」を持つのはウィンディ・ルカリオ・エルレイド。ルカリオ・エルレイドはともかく、ウィンディはこのコンボを使わなくても普通に優秀なポケモンなので動きが読みづらい点も強み。
  • じょうききかん+じゃくてんほけん
    • セキタンザンに味方の水技を撃つことで、特性「じょうききかん」(水か炎技を受けると素早さが最大まで上昇)と持ち物「じゃくてんほけん」(弱点技を受けると攻撃・特攻が2段階上昇)を発動させるコンボ。
    • 水技は先制技の「アクアジェット」や、「よびみず」で吸われない全体攻撃の「なみのり」がよく使われる。 
  • かげふみ+ほろびのうた
    • 交代を封じる特性「かげふみ」で敵をロックし、「ほろびのうた」で3ターン後に確実に相手を2体落とすコンボ。
    • 「かげふみ」役は技のレパートリーが広いゴチルゼル、「ほろびのうた」役は素早いゲンガーがほとんど。

使用レンタルパーティー:おいかぜ&トリルパ3種

以上5種類が大雑把な類型だが、もちろんこれら複数の要素を組み合わせたパーティーも(というかそっちの方が)多い。
    • コータスをメインにした晴れパ+トリパ
    • ペリッパーを軸にした雨パ+おいかぜパ
    • カビゴンをエースにしたトリパ+このゆびはらだいこ等
そして自分がマスターボール級まで使ったのも、「おいかぜ」と「トリックルーム」をどちらも搭載した「おいかぜトリルパ」だった。

すばやさを上げる「おいかぜ」と、すばやさが低い順に行動することになる「トリックルーム」は一見相性が悪いように見えるが、もちろんこれらを同時に使うわけではなく、相手によって「おいかぜ」と「トリックルーム」のどちらを使うか切り替えるのが「おいかぜトリルパ」である(「スイッチトリパ」などとも言われる)。

PT1:ふういんイオルブ&エルフーン




実例を挙げた方が説明が早いだろう。
自分がいくつか使わせて貰った中で、もっとも類型的でわかりやすい「おいかぜトリルスイッチパ」が、上記のふういんイオルブが入ったパーティー(引用元)である。

具体的には
  • 相手パーティーが高速(おいかぜ)パの場合
    • →イオルブで「トリックルーム」を使い下から殴る
  • 相手パーティーがトリパの場合
    • →イオルブで「ふういん」(自分が覚えている技を相手が使えなくなる)を使って相手のトリックルームを封じ、その後は普通に殴る。
  • 相手パーティーが中速(スタンパ)の場合
    • →エルフーンで「おいかぜ」を使い上から殴る
このように相手のパーティーに合わせてトリル・ふういん・おいかぜを使い分け、常に先制で殴るというある意味シンプルな戦術のパーティーである。

アタッカーのオノノクス・ヒヒダルマ・ロズレイド・シャンデラはいずれも速すぎず遅すぎない中速のポケモンなので、おいかぜとトリックルームのどちらを発動させたとしても対応させやすい。
全員フルアタで持ち物・特性にもクセがないため、ダブル初心者の自分でも迷うこと無く使いやすかった。

PT2:ふういんブルンゲル&おいかぜペリッパー




こちらは雨パの要素が入ったおいかぜトリルパである(引用元)。
高速パ相手にはトリル、トリパ相手には封印、中速パ相手にはおいかぜを使う基本的な動きは同じだが、おいかぜ役のペリッパーがこだわりスカーフを持っている。

補助役にこだわりアイテムなんて過去作では考えられない構成だが、本作ではダイマックス中はこだわりアイテムの効果が切れるという仕様があるため、スカーフで先制おいかぜ→次のターンにペリッパーがダイマックスして攻撃という動きが可能であり、これが普通に強い。

ブルンゲルも単なるサポート役ではなく「しおふき」によって高火力の全体技を撃てる。雨&トリル下のしおふきを連発してイージーウィンという勝ち筋も狙える。

より安定してトリルを発動させたい場合はタスキ持ちのバリコオル。 「ねむりごな」を撒いてくるバタフリーなどには、「ミストメイカー」で状態異常を完封できるマタドガスで対策できる。
1つ目のパーティーと比べると、やや編成にクセがあるが、その分対応できる相手も広くなっている、玄人向けパーティーと言える。

PT3:エースバーン&ゴリランダー




3つ目はこちらの記事で紹介されているパーティー。
リンク先で作った人が人が使い方を説明してくれている(のでそっちを見れば話は終わる)が、エルフーンが「おいかぜ」と「トリックルーム」を両方持っているのが特徴。

スピンロトムは「リフレクター」による補助と「ダイジェット」によるすばやさ上昇のサポートが可能。
エースバーンは高速だが、ゴリランダーは中速、ジュラルドン・トリトドンは低速とパーティーの素早さも散らばっており、スタンパの要素が強いパーティーと言えるだろう。


まとめ:マスターボール級までは行ったが…

あくまで個人的な感覚だが、モンスターボール級~ハイパーボール級までは一つの勝ち筋を重視したギミック・コンボパが多い(鈍足のみのトリパなど)印象である。

ゆえに、高速・トリル・中速のいずれにも対処できるおいかぜトリルパは相手のギミックを潰しやすく、マスターボール級まではそれほど苦労せずに上がることができた。

しかしマスターボール級に上がると、一つのギミックにこだわったパーティーは少なくなり、高速と低速ポケモンのバランスが良く天候ギミックも取り入れているようなスタンパと当たることが多くなった。
こうなると、自分のテクニックでは頑張っておいかぜやトリルを貼ってもパワーのある相手に押しつぶされて負けてしまうことが多くなってしまった……。
いやはや、ダブルバトルって本当に奥が深いボルね~。